ごみ拾いの世界デーが、今年は「食べ残し」を見ている。
毎日10億食以上が捨てられる世界。2026年のWorld Cleanup Dayが問いかけるのは、拾うことより前に、ごみを生まない仕組みをつくれるかだ。

毎日10億食以上が捨てられる世界。2026年のWorld Cleanup Dayが問いかけるのは、拾うことより前に、ごみを生まない仕組みをつくれるかだ。
今年の「世界清掃デー」は、道路より先に食卓を見る
9月20日はWorld Cleanup Day。世界各地で市民がごみを拾う日として知られるが、2026年の国連のテーマは「From Clean Plates to Clean Cities(きれいな皿から、きれいな都市へ)」。今年の中心テーマは食品ロス・食品廃棄だ。国連とUN-Habitatは、清掃を「出てしまったごみを拾う活動」だけで終わらせず、そもそも廃棄物を生まない都市の仕組みまで広げようとしている。世界規模の清掃デーが「ごみ箱の中」ではなく「ごみ箱に入る前」を見始めた。
世界では、毎日10億食以上が捨てられる
UNEPのFood Waste Index Report 2024によると、2022年に家庭、外食、小売で廃棄された食品は約10.5億トン。消費者に利用可能だった食料の約19%にあたる。国連は、家庭だけで毎日10億食を超える量が捨てられていると推計している。消費段階の食品廃棄の約60%は家庭から出る。一方、2024年には約6億7,300万人が飢餓を経験した。余った料理をそのまま飢餓地域へ運べば解決する単純な話ではないが、「食べ物が足りない世界」と「大量の食べ物を捨てる世界」が同時に存在する矛盾は大きい。
捨てるのは、食べ物だけではない
食品を捨てるとき、失われるのは食べ物だけではない。その食品を育てる土地、水、肥料、エネルギー、加工・冷却・包装・輸送に使った資源や仕事も失われる。食品ロスと廃棄は、世界の温室効果ガス排出量の推定8〜10%に関係すると国連は説明している。廃棄された有機物が埋立地で分解されると、メタンの発生源にもなる。食品廃棄は「もったいない」という道徳だけでなく、気候変動、都市のごみ処理、水資源、家計、食料安全保障がつながる社会課題だ。
だから「拾う」より前にやることがある
街の清掃活動には意味がある。放置されたごみを回収し、地域への関心を高め、人がつながる入口にもなる。ただし、清掃だけではごみが生まれる仕組みそのものは変わらない。今年のWorld Cleanup Dayが掲げるのは、食品廃棄の予防、まだ食べられる食品の再分配、分別、堆肥化、資源回収、循環型経済への転換だ。まず必要以上に作らない・買わない・捨てない。次に食べられるものを人につなぐ。それでも出る有機物は循環させる。「拾う」は大切だが、廃棄物対策の最後の方にある。
清掃活動のゴールは「清掃が要らなくなること」かもしれない
活動人数や回収したごみの重量は分かりやすい成果だ。しかし長期的な成功を測るなら、「来年は何キロ拾えたか」だけではなく、「来年は何キロ拾わなくてよくなったか」も見た方がいい。社会課題への参加は、目の前の問題を片づけるところから始められる。でも、その先には「その問題が生まれない仕組みをつくる」という段階がある。世界清掃デーが食卓を見る理由は、そこにある。世界は、そんなに単純じゃない。
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